7月30日Send LOVEコンサート@水俣


モバイルキッズフェスタがあった7月30日、実は陸前高田から遠くはなれた九州熊本で、もう一つのSend LOVEプロジェクトがありました。

天国民メンバーのオペラ歌手、龍進一郎と妻三佳代によるチャリティーコンサート「Send LOVE コンサート~水俣から愛を~」です。
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熊本県水俣市出身の龍進一郎は、現在は新国立劇場の舞台に立つオペラ歌手。
同時にキックバックカフェのイベントにも参加したり、何よりもアメリカツアーを控えた天国民のコーラスメンバーとして活躍中です。
そんな彼が、前回のモバイルキッズフェスタに参加し、陸前高田の子供達とふれあい、その様子を実家の両親友人に話しました。
これを聞いた水俣の家族友人達は「我々も何か出来ないだろうか」と話し合い、チャリティーコンサート開催を決めたのです。
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「何よりも風化させたくなかったのです」龍進一郎は振り返ります。

ただでさえ遠くはなれた水俣の地では、4ヶ月も前の震災は人々の記憶から離れ去ってしまってる、チャリティーをやることによって一人でも多くの人に陸前高田の現状を訴えたい。
最初は小さな会場でと考えていましたが、周囲の意見により960人収容の水俣市文化会館を選びました。
大きな会場で、沢山の人を集めて、広くアピールしなくては意味が無い。
たった2ヶ月の準備期間、本来ならあり得ないこのプロジェクトも、動き出すと協力者が現れ、地元企業もスポンサーとして次々に手を挙げてくれました。
記者会見の場が設けられ、集まったのはテレビ3社新聞4社。

【 asahi.comにて掲載された記事 開催前 開催後 

街中にポスターが貼り出された当日、7月30日。
コンサートがあるからと、早めに店が閉まるなど、水俣市がSend LOVE一色になったと言っても過言ではありませんでした。
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会場を埋め尽くした800人を超える観衆、ここ数年のコンサートにおける動員記録を作ったそうです。
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会場に詰めかけた幼馴染み、学友、近所の知人の顔を見た時、故郷の暖かさを感じた龍進一郎。
同時に、このコンサートは決して自分のコンサートではなく、自分は音楽で愛を伝える「道具」に過ぎないのだと実感したそうです。
開演直前、出演者同士手をつなぎ、東北岩手の人々への想いを祈りました。

ステージに立った龍進一郎と、同じくオペラ歌手龍三佳代。実は結婚記念日が7月で、今年が結婚8年目。
夫婦であり良き音楽仲間である二人の、節目となるステージにもなりました。

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ピアノは音楽仲間の田中健と、地元から鬼塚直子。
出演者である彼らは全員無報酬、そして会場費などの経費は全てスポンサー寄付。
これによって、入場料は1円残らず陸前高田の為に贈られます。
「このシンプルさが、多くの方の共感を得たのだと思います」



プログラムはオペラの名曲の数々と、「千の風になって」「星に願いを」などのポピュラーナンバー。
そして、天国民の龍進一郎を語る上で欠かせないゴスペル「Deep river」。
「結局この曲に、今回の全てが込められてるんですよ」
絶望の深い川の向こうにある、約束の地への希望を歌った黒人霊歌を、龍進一郎は数百キロ離れた東北の地に向かって歌いました。
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そして、この夜のステージ最高の感動の瞬間が訪れます。
天国民のオリジナル曲で、Send LOVEプロジェクトのテーマ曲でもある「大切な人よ」を、龍進一郎の母校水俣高校音楽部の生徒と共に合唱した時、
会場の空気は言い表せない感動、「愛」に満ちたものとなりました。
彼の恩師であり、Send LOVEコンサート実行委員長でもある、岩本義久師の尽力により実現したコラボレーション。
夏の大会など忙しいスケジュールの中で練習を重ね、見事に先輩と素晴らしいステージを作ってくれた水俣高校音楽部の皆さん、本当にありがとうございました。

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実は、水俣市には公害病という歴史上の深い傷があります。
しかしそれを克服する、徹底した環境対策に取り組んだ結果、国内有数の環境モデル都市にもなりました。
どこよりもきれいな自然を、自分たちの手で取り返した水俣の人達にとって、荒れ果てた陸前高田の地は決して人ごとでは無かったのです。

「僕は最初、震災を風化させてはいけないと思ってこのプロジェクトを始めたのですが、
結局わかったのは、全く風化してないじゃないか、という事。
ここの人達は、心の奥でずっと東北の人たちの事を心配していた。
そして、何かあったらぜひ応援したいと、きっかけを待っていたんだと思います」

そう語る龍進一郎のもとには、是非とも第2弾をやってほしいと、各方面からの声が届いています。
「1回で終わらずに続けて欲しい」
「一生忘れない貴重な体験」「課外授業にも変えられない」と話してくれたのは水俣高校音楽部の皆さん。
次回は天国民コンサートを、という話も持ち上がってもいます。

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「この日僕は、音楽にしか出来ない、人の心を一つにする力を知りました。
そして、陸前高田や東北の人達に、例えどんなに離れていても、水俣は皆さんの事を思っている。
これを伝えたいと思います」
大きな想いを胸に、龍進一郎は天国民メンバーとして、今度は8月15日陸前高田のステージ立ちます。

















このブログ記事について

このページは、KickBackCafeが2011年8月 8日 12:26に書いたブログ記事です。

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