今回は総勢30名を超えるチームで陸前高田入りしました。
乗用車2台、マイクロバス1台、そしてモバイルキックバックカーが、5/2夜出発。
キッズフェスタは毎年5月と12月にキックバックで行われている子供のためのイベントで、
地域の方々から大変ご好評をいただいているものです。
今回は、そのイベントを陸前高田の子供たちのために仙川から直輸入。もちろん私たちにとって初めての試みです。
カフェスタッフに、役者、ミュージシャン、マジシャンと、様々な人達が一つのチームになって東に向かいます。
早朝、広田地区の避難所、広田小学校に到着。早速準備を始めました。
準備の様子が、NHK全国放送「おはよう日本」でも流されました。ご覧になった方も多かったのではないでしょうか。
「キッズフェスタ」では毎回テーマを決めて舞台やアトラクションが進行していきます。
今回のテーマは、子供達に大人気の「忍者」!
沢山の忍者達が、広田小学校に集まりました。
子供達と一緒に忍者学校で、忍者の修行(ゲームで遊ぶ)をする、というストーリーです。
司会の「おさち」と「のりぞう」に合わせて、皆で忍者体操。
そこへ、スーパ忍術を使うマジック忍者登場。
実は、この方は最近お店の常連になってくれたプロのマジシャンで、是非とも協力したいと、緊急参加してくれたのです。
プロの手品に、子供は勿論、大人も大喜び。
朝は寒かったのですが、昼頃には暖かい、絶好のイベント日和。
なんと、この日は私たちを含む4団体が集結。
屋台、着ぐるみ、ゲームそしてパフォーマンスと、一大フェスティバルになりました。
修行(ゲーム)をしてためたポイントで、お宝をゲット。
この景品の為にも、柴崎商店様ほか、たくさんの方から支援物資をお預かりしました。
修行に参加した子供がもらえる缶バッチは、陸前高田仕様の限定オリジナル。
(合資会社グッドスタッフ様提供)
我らがモバイルキックバックカフェも登場、今回は焼き菓子とコーヒー、
そして「土のめぐみ」様提供の無農薬いちごを準備しました。
この時期、新鮮なフルーツは非常に喜ばれました。
コーヒー豆はキーコーヒー様提供の「がんばろう東北ブレンド」。(復興支援限定の非売品)
「通常のメニューに加えたい」とオーナーが言うほど美味しくはいります。
もはや顔なじみの広田地区の皆さん。
特に、前回のこのブログで紹介した漁師のすすむさん、すでにチームの一員です。
まるで、一日店長の如くに「いらっしゃいいらっしゃい、暖かい美味しいコーヒーあるよ」と呼び込みをし、
自らコップを持って、苺を取り分け、忙しく働いてくれました。
暖かい日差しと、賑やかな子供達の声、ここが被災地であることを忘れてしまうかのような、賑わいのひとときでした。
真っ青な空を見上げると虹が...。
「これは、彩雲(さいうん)という気象現象です」とスタッフの一人が解説。
(そうだ、彼は気象学を専攻したのだった・・・初めて納得)
誰もが復興の架け橋をイメージしたのは、言うまでもありません。
沢山の子供達に見送られて、忍者達を乗せたバスは、広田地区を後にしました。
次の会場、高田一中に向かうバスの窓から見える瓦礫の光景に、現実の陸前高田に引き戻されました。
今回、同行したキックバックカフェのオーナー、石井希尚&久美子夫妻は、対策本部の戸羽市長を尋ねました。
戸羽市長は東京町田市出身。実は石井も一時期町田で暮らしており、しかも同い年。話が盛り上がりました。
「この連休を利用して、沢山の人達がボランティアに来て下さる。でも、これがいつまで続くか」と言う市長に対して、
「僕たちは、ずっと来ますよ」と石井は力強く答えました。
ディスカヴァー21様寄贈の「明けない夜はない」(石井希尚著)を市長始め、職員の皆様にお配りしました。
陸前高田で、いま非常に多くの方々に読まれている本です。
次の会場は高田一中の音楽室。避難所で暮らす子供達がぞくぞく集まります。
正面玄関前のモバイルキックバックカフェでも、あたたかいコーヒー、焼菓子、無農薬いちごをお配りして賑わいました。
開始した頃には、やや少なかった会場も、終わる頃には大勢の子供達で沸きかえっていました。
協力関係にあるSave Takataのスタッフ、佐々木さんが色々とコーディネートをして下さいました。
「これだけ、子供達が集まったイベントは見た事が無い!」現地のスタッフの方々が驚く程の盛況でした。
帰りがけ、沢山の子供達に「今度いつくるの?」と聞いてもらえました。
代表の石井の言葉ではありませんが、何度でも、何度でも通い続けたいと思います。
多くの皆様のご支援御協力で、今回、初の避難所でのイベントを無事終える事が出来ました。
最後に、代表の石井希尚のコメントで締めくくらせて頂きます。
「今回、市の広報にも掲載していただいたことで、避難所をすでに出て行かれた方々も、
わざわざ来て下さいました。とても嬉しかったです。
二カ所の避難所を回ったわけですが、高田第一中学校では、体育館の中での生活ですから、誰でも入って来れるし、
一応、ダンボールなどで間仕切りをしてはいますが、そこにはプライバシーは全くありません。
すでに二ヶ月もこの環境で生活することを余儀なくされているというのは本当に辛いと思います。
モバイルキックバックがオープンしていることは、体育館内の方々も放送によって知ってはいるものの、なかなか外まで出てくる気力のない方々も多く、
トレーにのせて中までいき、ご希望される方々にお配りしましたが、そこには、試験勉強をしている中学生もいたり、具合が悪くて横になっているご婦人もいたり、
トランプをしている女子高たちもいます。そうかと思うとボランティアの方が突然、楽器演奏を始めたりします。
いろいろなニーズの人が、一つの閉ざされた空間にひしめき合っていて、善意の行動であっても、一つ間違えば、誰かにとっては迷惑となり得る空間です。
避難所でのいろいろなイベントを仕切っている方は本当に大変だと思います。
仮設住宅の建設も始まってはいますが圧倒的にその数が足りていません。一刻も早くよりよい環境へと移動することができるように心から祈ります。」
(撮影:清水知成)