専門誌 月間カフェ&レストランにて オーナーマレが2年間連載(2008年8月終了)

カウンター椅子
心の交差店
2007年4月号の表紙

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マイホームカフェ (2007年4月号掲載)


マイホームと言えば、そこは疲れを癒す休息の場所。
ストレス社会にあっては、誰にも気を遣わず、ありのままの自分に戻れる空間というのは、マイホーム以外に、そんなにたくさんあるわけではないだろう。

キックバックとは、英語の俗語で「リラックスしよう」という意味だ。
英語では人を我が家に招待したとき、必ず「make your self at home(自分の家のようにしてね)」と言う。
マイホームこそ、リラックス=キックバックの場所。
KBCがその名の通りの空間となっているかどうかは、ここをマイホームのように思ってくれている方がいるかどうかにかかっている。
今回は、スタッフの手記を中心に、僕自身が励ましを受けた日常の一部をご紹介したい。

まず初めに、昼間のホールスタッフAのレポートから。


これだけ、常連さんが増えるとたまに本当に家みたいな感じになる時があります。
ミカエルさんこと杉田さんが、「たばこすって来る」とパティオに移動し、ハーブティーをすすっていると、そこにスタッフのK君が通りがかって立ち話。
そこに、橘さんという、別の常連さん(お花を持って来てくれたりしてくれてます)が、自慢の愛犬ゴン太とのすてきな休日の話をしに、パティオからキッチンに移動して来たり。

ドリンクスタッフは、忙しく動きながらも「まじっすか」「ほお」など相づちを打ちます。
こちらとしては、その日初めてのお客さんが『なんだなんだ俺だけ初めてか?』と思わないよう気をつけて、まんべんなく話すことにしています。

「お近くですか?」
「今日、風が冷たいですよね」
そうするとその人も、うろうろと雑誌の所を眺めたり、「実は、こないだのライブに来たんですよ。」なんて話してくれるのです。
『しそババロア』を食べて、「イチゴソースが風味を消しちゃっててもったいないよ」なんてアドバイスしてくれたお客さまには「よっしゃ!」と思いながら、パテぃシエをご紹介。
彼女が20分くらい話して、サンデーナイト(毎週日曜夜開催の入場無料のイベント)のお勧めなどもしていました。
その方は、パティシェをとても気に入ってくれたようでした。また、必ず来ると言ってくれていました。

スタッフが立ち話している率高し。
お客さんもうろうろ率高し。

僕はこの手記を読んで思わず笑った。お客さんのうろうろ率高し・・
これは本当にそうだ。
お客様が、気軽に席を移動できるというのは、その方の中で、KBCがマイホーム化してきている大きなサインだろうと思う。
もちろん、中には静かにゆっくり一人で読書などをしたいという人もいるだろう。
そういう方にも配慮しつつ、しかしKBCでは、他の店にはあまり見られない「うろうろ」が日常的だ。

何がその人の心に響き、どうしてその人が戻って来てくれるのか、それは本当の所分からない。
しかし実際に人が戻って来てくれるとき、KBCは人が「戻ってきたい空間」になっているのかなと思えるから、我々は励ましを受ける。




春休みだけの短期間ホールに入っている大学生のレポートを見てみよう。
 

今日のキックバックはバレンタインフェア。
ランチタイムにはご近所に住む山本愛香さんのピアノライブ。

そこへ一人でご来店の男性のお客様がいました。
本を読むでもなく、じーっとしてたので、どちらにお住まいなんですか?と尋ねると、常盤台というので、はっきりどこかはわからなかったけど、ちょっと遠いんだろうな?と思って、どうして今日はここへ来られたんですか?と聞きました。 すると、
「実は先日のA・Yさんのライブに来て・・・」とのこと。
そのライブは貸切でファンクラブの人だけが来るというコアなイベントでした。
この方はA・Yさんのライブには毎回行ってるそうで、A・Yさんに顔も覚えられているほどのファンなんだそうです。
そのファンの方が、A・Yさんのライブでキックバックへ来て、なんかいいな、と思ってまた今日ご来店されたそうです!

豆乳ラーメンを食べて、
「変わった味ですね。いや、おいしいですよ」と言っていたので、ん?気に入ってもらえたのかな?どっちかな?なんて思っていたのですが、帰り際にわざわざ、「ここに来て本当によかったです。」とおっしゃってくださったのです。

何がこの方の心に響いたかはわかりませんが、そして、私が何をしたわけでもないのに、すごく嬉しい体験でした。

キックバックのマニュアルには、「お客様は当店のご利用は初めてですか?」と尋ねるいうのがあります。
ノンスモーキング・ノンアルコールを理解してもらうためでもあるのですが、この言葉はとっても素敵なのです。
ペーペーの私は、この人は常連だ!とわかる人が少ないので、恐る恐る、でも、マニュアルに書いてあるんだから言っても大丈夫!ってかんじで使います。
中には、「2、3回」とか「よく来てます」とか。
そうすると、なんで、この人はよく来るんだろう?という思いから「近くにお住まいなんですか?」となるのです。

今日も「昼ははじめてです。」なんて人もいました。聞けば、1周年イベントに来たことがあるとか。
ただ、そこに店があるから入ったというだけじゃなくて、みんななにかしら理由があって、キックバックを選んでくださっているんだなぁと思うのです。
そして、本当に新規のお客様も毎日毎日たくさん来ます。
サンデーナイトサービスでもご新規さんはいます。
日々新しい出会いが用意されています。
それを、なるべく、逃さないようにするためにこの言葉があるんだなぁと今日思いました。


他のスタッフによると、そのA・Yさんのライブの際のオペレーションは反省点の多い夜だったのだそうだ。
それでも、あくまでもお目当てのタレントさん目的で来店したはずの方が、通常営業日に戻って来てくれた・・これほど嬉しいことはない。
こちらが「うまく出来なかった」と思ったその日のサービスで、その方はここを気に入ってくれたのだから。
「また来たい」そう思ってもらえるということは、簡単なことではない。
仮にそう思っても、実際に足を運ぶというのはもっと難しい。それが遠方であればあるほど尚更だ。

だから、実際に足を運んで下さったことの意味を、軽く流してしまってはいけないと思う。
KBCは常にお客様をマイホームを招待した友人のように迎える。
その方にとって、KBCが、また期待と心から思える場所、すなわちマイホームになることを願って・・・。


(2007年4月号掲載)

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■バックナンバー

2008年----------

8月号 町づくりカフェ
7月号 好意がカギだ
6月号 奇跡カフェ
5月号 私の学校KBC
4月号 医療関係者の癒しカフェ
3月号 安全カフェ
2月号 キッズバックカフェ
1月号 バラエティカフェ



2007年----------

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11月号 大切すぎて入れないカフェ
10月号 おかえりカフェ
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8月号 ヘルシーカフェ
7月号 再生カフェ
6月号

思い出かふぇ

5月号 かけこみカフェ
4月号 マイホームカフェ
3月号 ノンアルコールカフェ
2月号 元気がでるカフェ
1月号 ゴスペルカフェ

2006年----------

12月号 人儲けカフェ
11月号 キックバックはめぐみカフェ
10月号 キックバックは変身カフェ
9月号 キックバックは出会いカフェ
8月号 クリエーターズカフェ
7月号 ママも子どももキックバック
6月号 キックバックは
閉店後も大歓迎
(連載スタート)



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